教育
植物生産科学技術論と農場実習
農業生産を支える基本は栽培技術であり、農作物の栽培とその技術を理解することが農学を学ぶ基礎として重要である。しかし、現状では農作物の栽培を実際に経験している学生は少ないため、学部の専門教育に入る前の2回生を対象に、通年科目「植物生産科学技術論と農場実習I」を開講している。月曜クラスと水曜クラスに分かれ、合計80名が受講している。この実習では、食用作物や園芸作物の生産現場である農場において、農作物に直接触れ、栽培・管理を体験し、農作物の生育過程を知り、五感を通して栽培技術とは何かを理解することを目的としている。
資源生物科学科3回生を対象に夏期集中科目として開講する「植物生産科学技術論と農場実習Ⅱ」は専門性の高い実習として位置づけられる。この科目では、農作物の生理学的特性や遺伝形質と栽培技術との関係を理解すること、作物の生育診断技術や生産物の品質評価技術を学ぶこと、農学研究における栽培実験や組織培養実験の基礎を学ぶことなどを目的として、講義と実習を行う。また、専門科目の講義で学んだ知識を実際に作物に触れながらフィードバックすることで、その理解がさらに深められる。
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教育共同利用実習
農場の人的・物的資源を活用し、他大学による農場の教育共同利用を推進している。
農学を専門としない学生にとって、食卓に並ぶ農作物は知っているが、それらがどのように生育し、栽培されているかはほとんど知らない。大学コンソーシアム京都に提供している科目「食卓の栽培学と実習」では、他大学の学生を対象に農作物の栽培実習や農業と環境に関わる講義を行い、これらの体験を通して農作物の栽培について学ぶとともに、「食」や「農」に対する理解を深め、学生がそれぞれの専門分野の立場から、食や環境の問題について考える視点を養う。毎年、約10大学20学科の学生が受講している。
また、他大学の教育学部や食物栄養学科などの学生に対して農場実習を行っており、技術教育、食育教育や農作物の生産から食に至る一連の教育などに活用されている。
学部・大学院 | 学科・専攻 | 科目の種類 | 科目名* | 単位数 | 学年 | 開講期 | 備考 |
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農学部 | 資源生物科学科 地域環境工学科 |
実習 | 植物生産科学技術論と農場実習I(月曜クラス) | 6 | 2 | 通年 | |
植物生産科学技術論と農場実習I(水曜クラス) | 6 | 2 | 通年 | ||||
資源生物科学科 | 講義 | 資源生物科学概論A | 2 | 2 | 前期 | 分担 | |
植物生産管理学 | 2 | 3 | 前期 | ||||
実験・演習 他 | 資源生物科学実験及び実験法Ⅱ | 6 | 3 | 後期 | 分担 | ||
生産管理科学演習 | 2 | 4 | 通年 | ||||
課題研究 | 10 | 4 | 通年 | ||||
農学研究科 | 農学専攻 | 講義 | 植物生産管理学特論 | 2 | 1~2 | 前期 | 隔年 |
植物生産技術論 | 2 | 1~2 | 後期 | 隔年 | |||
農学特別講義 | 1 | 1~2 | 後期 | 分担 | |||
実験・演習 他 | 植物生産管理学演習 | 8 | 1・2 | 通年 | 2年間 | ||
植物生産管理学専攻実験 | 10 | 1・2 | 通年 | 2年間 | |||
研究論文 | 必修 | ||||||
大学コンソーシアム京都 | 実習 | 食卓の栽培学と実習 | 2 | 1~4 | 前期集中 | 他大学 | |
グリーンエネルギーファーム論と実習 | 2 | 1~4 | 前期集中 | 他大学 |
*農場教員の担当科目
社会人履修プログラム
平成29年度から「農業と農学の最前線 ―次世代農業マイスター育成プログラム―」という社会人を対象とした履修プログラムを開講しました。
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教育研究支援(技術部)
技術職員からなる教育研究支援部門は水田班、果樹班、蔬菜班、花卉温室班、京都農場班から構成されており、農場における教育と研究を支援するために、農作物の栽培管理や遺伝資源の保存、農業機械・施設の維持整備などを行っている。質の高い教育研究支援には農作物の高収量、高品質生産技術が不可欠であり、技術職員は農場の立地環境に適した栽培の技術向上を目指したテーマにも取り組んでいる。
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